Development story
QOL向上を追求した
アトム酸素鼻孔カニューラOX-28
開発の軌跡
想いに寄り添い
患者さんが笑顔になる
カニューラを
アトムメディカルの開発チームは、患者さんのQOL向上を目指し、3つの開発目標を掲げて課題解決に取り組みました。
直面するいくつもの壁に立ち向かい、いかにして乗り越えたのか―。患者さんの想いに寄り添うカニューラ誕生の軌跡をたどります。
STORY01
きっかけは患者さんの
「想い」にふれたことから
製品開発の先にある使命を
再認識
アトム酸素鼻孔カニューラOX-28の開発に動き出す契機となったのは、患者さんから寄せられた切実な声にふれたことでした。
QOLを本当の意味で高めるには、酸素を投与するという機能を満たすだけでは不十分。患者さんの負担を少しでも軽減し、日常生活を支えるカニューラを創ること。それが医療機器メーカーとしての使命であると再認識しました。
"想い"に寄り添うために掲げた
3つの目標
私たちは開発者として、何をすべきかを真剣に話し合いました。その中で、患者さんがカニューラに対して「人目が気になる」「鼻腔内に痛みがある」「就寝中の外れが不安」など、心理的・身体的なストレスを抱えていることを知ります。そこで私たちは、目立たないこと・快適であること・安全であることの3つを開発目標に掲げ、患者さんの想いに寄り添うカニューラの開発をスタートしました。
3つの開発目標
- 目立たない
- 快 適
- 安 全
STORY02
目標の実現を目指して
想定外だった「騒音」の壁を
乗り越え、小型化に成功
「目立たない」の実現を目指し取り組んだのが、カニューラのサイズを従来品の半分まで小型化することです。しかし、サイズを縮小して酸素を流すと「ピュー」「ピー」といった笛鳴り音が発生。騒音計で測定すると46dBを記録しました。連続的な笛鳴り音は患者さんにとって大きなストレスとなるため、早急な対応が求められました。
私たちは金型の形状を見直し、酸素流路の滑らかさを追求するなど、改良と検証を重ねました。幾度にもわたる試行錯誤の末、ついに笛鳴り音を無くすことに成功。最終的には図書館内と同程度の静音レベルである41dBまで音を低減しました。



日本人の肌色に合う透明感を
カニューラの透明感にもこだわりました。海外製は透明感を出すために、わずかに青味がかっていますが、日本人の肌の色には少し違和感があります。私たちは日本人の肌色に合うように、実際に装着して色合いを確認しながら何度も配合を調整し直しました。また、製造方法に工夫を加え、素材の肉厚を均一にすることで、いっそう透明感が増しました。
患者さんの立場に立って、
"着け心地"を追求

「快適」の実現に向けて取り組んだのは、装着感の改善です。
患者さんの肌にふれる部分にシボ加工(細かい凹凸)を施し、さらりとした感触に仕上げました。これは開発者自身が実際にカニューラを装着し、食事・入浴・睡眠といった日常生活を過ごす中で得た、気づきをもとに生まれています。ベタつきや不快感を「少しでも軽減したい」との想いから加えた工夫です。

また、鼻孔挿入部を日本人の鼻腔の形に合わせて内向きに緩やかにカーブさせ、長さも微調整することで、酸素が鼻腔上面に直接当たることで生じる刺激や乾燥を抑えました。
さらに、痛みや皮膚トラブルに配慮し、長時間使用しても耳介や鼻腔への負担が少ないソフトな素材を採用しました。
就寝時でも安定した
酸素供給を目指して
「安全」の実現に向けてまず取り組んだのは、多くの患者さんが不安を抱えていた就寝中の外れを防ぐ対策です。
就寝中にカニューラが外れることなく、安心して朝まで眠れるように、装着時には調節しやすく、留めた後はズレにくいストッパーリングを開発しました。チューブを広げる方向に力が加わると、抵抗が生じて不用意に動かない仕組みになっています。

また、チューブが折れ曲がってもきちんと酸素が流れ続けるように、チューブ内側に独特な突起を設けています。この形状にたどり着くまで何度か試作を繰り返し、ようやく強く折れ曲がっても酸素が途絶えない構造のチューブが完成しました。

酸素が途絶えません。
STORY03
今後も想いに寄り添う
呼吸ケア製品を
患者さんの笑顔が原動力
3つの開発目標を軸に取り組みを進める中で、私たちは実際に患者さんのもとを訪ね、様々なご意見や多くの示唆をいただきました。
直接お会いし、患者さんの想いや日々のご苦労にふれたことは、開発における困難を乗り越えるための大きな原動力となり、私たちの情熱を支え続けてくれました。
今後も、現場の声に真摯に耳を傾けながら、患者さんの笑顔につながる呼吸ケア製品の開発に取り組んでまいります。
こうして開発された
「アトム酸素鼻孔カニューラOX-28」は、
いま多くの患者さんのQOL向上に
貢献しています。
そしてそれは、患者さんだけでなく
呼吸ケアにかかわるすべての人の笑顔に
つながっています。
レスピオールが目指すのは、
呼吸ケアにかかわるすべての人が笑顔で
つながる世界です。
Product Lineup
医療現場の声をカタチにした
呼吸ケア製品








